「菊池川流域日本遺産Instagramフォトコンテスト」結果発表
2025年5月10日2月19日に審査会を開催し厳正なる審査の結果、応募作品総数68点の中から6点が決定いたしました。
入賞作品を発表します。
(作品募集期間:2024年11月1日~2025年1月31日)
審査委員長
八代白百合学園高等学校
教諭 中西 琢也氏
菊池川流域日本遺産フォトコンテスト2024の審査を終えて
今回初めての審査ということで、どんな写真が出品されているのかという楽しみと、責任の重さによる戸惑いを感じながら審査会場に入りました。すでに作品は机上に並べられており、他の審査員が到着されるまでじっくり作品を鑑賞することができました。地域別に並べられた作品は県南に住んでいる私にとっては新鮮なものばかりで楽しむことができました。審査という立場を離れて純粋に写真を楽しむことができました。
しかし、いざ審査となると楽しんでばかりはいられません。写真が訴えているものがどのくらい強いものなのか、撮影者が何を考え、何を伝えようとしているのか、菊池川流域日本遺産の中で、そこに暮らす人々がどう生きているのか、様々なことを考え写真を見ていきました。さらに写真としての完成度も考えなければいけないと思い、適切なフレーミングやアングルが選択されているのか、また斬新な切り口で撮影されているのかなども含めて審査しました。結果的に他の審査員よりも一次審査に時間がかかってしまったようでした。
二次審査に入ってからは、私が選ばなかった作品も含まれていたので、その作品が持っている写真としての力であったり、撮影者の意図であったりを考えながら再考させていただきました。長い時間をかけて作品を見て行けばいくほど、訴える力が強くなっていく作品があるかと思えば、次第に難点が見えてくる作品もあり、絞り込みができていきました。また、審査はプリントで行っていましたが、出品はInstagramを利用したデジタルデータであることから、そのデータも確認させていただきました。プリントではあまりはっきりしなかった色の再現性や、暗部のディテールもデータ上で確認することもでき、最終的な入賞決定に繋ぐことができました。
最終的には、日本遺産だけでなく、その中で生きている人々の姿を捉えた写真を選択させていただきましたが、「写真」の世界に40年以上関わり、しかもスナップ撮影を通して、様々な地域の方々と触れ合ってきた私の写真観を優先させていただいたと思います。美しい風景を後世に残していくことは極めて重要なことであり、その姿を写真という形で捉え続けていくことは大切なことだと思いますが、人がその中でどんな暮らしをしているのか、日本遺産を残すためにどんな取り組みを行っているのかを広く発信することも写真に関わる者の役割だと思いますので、これからも多くの方に撮影を続けていってほしいと思っています。
今回の審査にあたっては、あえて自家用車での移動ではなく、電車および徒歩を選択させていただきました。それは、あまり訪れたことがない場所の写真審査ということもあり、少しでもその風景を見ようと思ったからで、電車の車窓から見える風景を見ながら新鮮な気持ちで審査に臨むことができました。また、審査後は菊池川を経由し、裏通りを徒歩で玉名駅までゆっくり歩き、街並みを楽しみました。普段見ることができない風景は私に多くの刺激を与え、結果的にその後、個人として玉名市内をはじめ、和水町、山鹿市を訪れ写真を撮影することになりました。おそらく、そこで暮らす人とは違う感覚で撮影できたのではないかと思います。どこかに発表するということではなく、私が取り組んできた、「そこで暮らす人々の姿」を残すライフワークの一コマになったと思います。
このような機会を与えてくださったことに心から感謝いたします。
グランプリ
谷川 秀嗣 さん
hidechu12
撮影地:江田船山古墳(和水町)
準グランプリ
木村 慎吾さん
icecoffeesuko
撮影地:鞠智城(山鹿市)
玉名賞
荒木 隆宏さん
tamananto
撮影地:梅林天満宮(玉名市)
山鹿賞
kikuchisky
撮影地:(山鹿市)
菊池賞
sak3kazu3
撮影地:菊池渓谷(菊池市)
和水賞
久保 絵美さん
mmmmmmmmidori
撮影地:江田船山古墳(和水町)
受賞作品は、今後、菊池川流域日本遺産のお知らせやPRで活用させていただきます。
四季折々の自然の美しさを堪能できる菊池川流域へ、ぜひ皆様お越しください!